先週末にあったリード・ワールド・カップ・プールス(ベルギー)大会で優勝候補本命であったヤコブ・シューベルトがアイソレーション(競技前に他の選手のクライミングを見ることができないようにするための隔離室)でiPhone(smart phone?)を使っていたことを理由にレッド・カードを提示され失格になったようです。
確かに
The IFSC rules book では以下のように定められています。
3.3.4 No competitor or Team Official is permitted to carry or use any electronic communication equipment while in the Competition Area unless the Jury President has permitted such equipment.
4.2.7 The following infringements of the rules shall result in issuing of a Red Card and the immediate disqualification of the competitor from the competition without further sanction:
c) Unauthorised use of any means of communication while in the Isolation Zone or in other restricted
area.
レッド・カードを受けたヤコブは
8a.nu によれば次のようにコメントしたようです。
Jakob was of course very upset and said it was ridicuolus as the judge saw that he was only checking the clock and that everyone does it.
彼が『時間を確認していただけで、みんなもしていること』だと主張しても、ルールはルールなのでしょう。電子通信機器を持ち込むのさえ禁止されているのが事実です。
もちろん通信機能をシャットダウンして時計として持ち込んでいたのが事実としても、疑いをかけられても仕方がないのでは。その疑いをかけられてややっこしいことになりそうだと思い至らなかったのは、今までみんなやって来たことだからなのでしょう。そこには、ルールがあっても厳密に適用することを主催者側が怠っていたという側面もありそうな気もします。選手側には無邪気さを垣間見、主催者側からはアマチュア・スポーツ色を払拭仕切れていない様子も伺われます。
競技の様子がインターネットで中継され、iPhoneとかsmart phoneで手軽にそれを見ることができる今、オンサイト(初見)が条件である以上、そのような機器の持ち込みはやはり避けるべきでしょう。いくら時計として持っていたとしても。
今回のルールをルールとして当たり前に適用したケース、スポーツ・クライミング競技が成熟するために避けては通れない道で、特に先日
選手会代表に選ばれたばかりのヤコブ が主人公のこの象徴的な一件、単なるクライマーから一人前のスポーツ選手になるために参加者(関係者も)全員が良き教訓とすべきでしょう。
もちろんヤコブに不服があるのなら、それを然るべきところに異議申し立てをして調停を図るのも極めて健全な道でしょう。ただやはり今回のレッド・カードの提示、これは当たり前のことだとは思います。
さて10 月下旬に日本でも リード・ワールド・カップがあるようだけど公式HPでも覗いてみるかな。 うん?『当初、増設を予定していたウォールですが、強度計算の関係で増設ができなくなりました。よって通常のままのウォールで行われます。』だと!昨年の段階でワールド・カップ開催地として立候補する時にウォールの完成見取図も提出しておきながら、何を今更。世界を舞台にした詐欺だ!当初の段階で強度計算などすべきものだろうに。えっ?『うちは登る壁の担当で、体育館の壁の強度は担当外です』だと?これって官民問わずの極めて日本的な”縦割り行政”+”想定外”文化の産物。これもレッド・カードもんだな。
管理人2号