何かを学ぶことが使命
 7月1日にスペイン、アラゴン州ウエスカ県の Los Mallos de Riglos(ロス・マージョス・デ・リグロス)のマルチピッチ・ルートで、スペインの67才にして現役のベテラン・クライマー、Jesús Ibarzo (ヘスッス・イバルソ)が墜死。事故当時その彼を確保していた6才年上(72才)で50年来のザイル・パートナーでもある Ursi Abajo (ウルシ・アバッホ)はデスニベルの記事の中で次のように言う。『毎年、5、6回は一緒に登ってたルートだったのに・・・。(今まで長年)さんざんあっちこっちでいろんなところを登ってきたあげく、今回ルート終了間近の一番簡単なピッチのところで、こんなことになるなんて』
 事故原因の詳細は語られていないが、ビレーヤーの手元にまだ繰り出されていないロープが4mほど残っている状態で、ビレーヤーがなんらの墜落のショックを感じないままに、20~25m墜落したらしい。あくまで推測だが、慣れが生んだなんらかのミスがあったのではと思う。痛ましい事故だが、彼らのような高齢でまだまだ登り続けていた情熱にも同時に感心してしまう。
 その数日後、今度は逆に極めて若年、12才のイタリア人クライマー Tito Traversa (ティト・トラベルサ)の夭折の知らせ。7月3日、フランス、Orpierre(オルピエール)の岩場で、終了点から20mほど墜落しグランドフォール、意識不明のまま、両親の言葉で “Il nostro Tito ora è un angelo” という残念な結果になってしまった。彼は、例えばあのラブトゥとロビンの娘ブルックと共に10才で8b+(5.14a)を登り、アダム・オンドラを抜く逸材として注目を浴びていたのだが…。クライミング・ジムのユースの仲間と出かけたツアー中での事故。若干情報が錯綜しているが、買ったばかりのクイック・ドローへのカラビナのセット・ミスが原因のようだ。
 事故が起きたフランスのGrimperの記事によれば『ウォーミング・アップに登った6b(5.10c)のルートで使用した12本のクイックドローのうち8本で、カラビナが、本来ならスリングの通すべき穴に通さず、回転防止用の固定ゴム”ストリング”だけでスリングにセットされていた』ようだ。これでは当然下降の際に加重したらロープを通したカラビナはいとも簡単にスリングから外れクライマーは墜落となる。おまけに登るのに使った12本中正しくセットされていたクイックドローはルート下から最初の4本で、上8本のカラビナが次々に外れれば、グランドフォールは避けようもないのだろう。なお、このクイックドロー、ティトのものではなく一緒に登っていた友達が買ったばかりのものだったようだが。若干、ストリングだけでセットされたカラビナが持ち運びの時とか登っていた時にとか、よくも外れなかったな、などと疑問も感じさせられれば、また誤ってセットされていたクイックドローは12本中4本だったという記事もあるが、事故の現実は消しようもなく、やはりそこには人為的な、避けることのできたミスがあったとしか思われないのだが。残念だ。
 なお両親の希望に沿って、彼の臓器は他の子供たちを救うために使われるようだ。それもありだな。
 クライミング、重力に反する行為である以上、実は紙一重の部分も不可避。またインドアのジムで登っているだけ、低い壁しか登らないボルダーなら大丈夫ということでもないだろう。人間50cmの深さ(浅さ?)の水でも水死する。このような事例から学ぶべきことは沢山あるはずだが、本来学ぶべき人たちは、往々にしてそれに気付かない。昨今よく見る危ないクライマーたち、どうにかなりませんかね。
管理人2号

by manabuyuko | 2013-07-06 11:38 | クライミング
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