明けて日曜日、やって来ました加須市民体育館。もちろん周辺各県からのクライマーも合わせての数ですが、今年の参加者はなんと100名あまり。ここまでの規模の非営利のローカル・コンペもなかなかないでしょう。たぶん埼玉国体をターゲットに始められたコンペでしょうが、国体終了後もその資産、経験を充分生かし続けられているようです。これだけの数の参加選手をこなせるのも、その運営組織がしっかりしている証拠。「国体が終わって全てが終わり」では、もったいない。他県も見習いましょう。
さて思い起こせば一年前、エキスパート予選ルートのボルト3本目でリーチ不足からなすすべもなく敗退。その時『やっぱり最低あと10cmは身長がないとエキスパートの面々の中で互角の勝負はできないのが現実だろう』と考えた、その10cmまでは身長が伸びてはいないものの、伸びてることは伸びてる。それに単純な腕力もついてきたし、その時以上の経験も当然踏んでいる。加須カップ、楽しみなコンペのひとつでした。
まず予選。去年のルートは全体的に悪いホールドで構成されていたけど、今年のそれはそれぼどでもなし。最上部にちょっと遠めでバランスの悪い部分があったけど、D-man、得意の足裁きでなんなく解決。特に力の入ることもなく例によって飄々と終了点に到達。後で発表された公式グレードは12b/cだけど、D-manの登りを見る限りは12a/bってところ。完登者7名のうちの一人となり、無事予選通過。付き添いはホッ。去年の二の舞だけは避けられました。
決勝ルートは、定番の壁2面を繋いでの持久系。上部で左の壁から右の壁に移り、一度右下に降りながらSの字を書き順とは反対になぞるように登り、壁右隅の終了点を目指すライン。オブザベーション段階での予想グレードは12d~13a。さて決勝進出者9名中の一番手、地元高校生、なんとセッターの意図を無視して(もちろんクリップには超苦労)、Sの字の書き終わりの部分から右下におりることなくショート・カットで終了点への右トラバース(Sの字の一番上にある弧の部分)に入ってしまう。尻尾からいきなり頭に飛んだようなもの。でもクリップに苦労したせいか、その後あえなくフォールしてしまったけど、その常識にとらわれない斬新な発想には驚かされました。でも二番手からのクライマーは忠実に”常識”どおりのライン取り。でも、全員が最後の5手以内で肉薄するという熱戦。そして、なんとD-manを含めた4名が完登してしまったのです。ここで並みのセッターなら慌てだすところ、しかし関係者席に座るセッターのE山&O澤師弟の背には全くの動揺は感じとられず。もちろん決勝ルート完登者は、そのままアイソレーション・ルームに逆戻りしている。と言うことは、同時進行しているミドル決勝のルートを手直ししてスーパーファイナルのルートとするのか、などと付き添いは想像してました。
よぼよぼ