勝者から見た World Youth、その2
スピード競技
各カテゴリーでの上位3人は次のとおり。右端のカッコ内には、それぞれのディフィカルティ競技での成績、またはスピード競技のみの選手かを記してある。
ジュニア男子(18&19才)
1位 Sean McColl 1987 カナダ (Diff.1位)
2位 Anatoly Skripov 1987 ロシア (Sp.のみ)
3位 Eduard Ismagilov 1987 ロシア (Sp.のみ)
ジュニア女子(18&19才)
1位 Olga Bezhko 1987 ウクライナ (Diff.8位)
2位 Anna Stöhr 1988 オーストリア (Diff.2位)
3位 Yana Malkova 1987 ロシア (Sp.のみ)
ユースA男子(16&17才)
1位 Maksym Osypov 1989 ウクライナ (Sp.のみ)
2位 Egor Skachkov 1989 ロシア (Diff.8位)
3位 Yevgen Palladiy 1989 ウクライナ (Sp.のみ)
ユースA女子(16&17才)
1位 Yana Chereshneva 1989 ロシア (Diff.10位)
2位 Stefanie Kofler 1989 オーストリア (Diff.30位)
3位 Alex Johnson 1989 アメリカ合衆国 (Sp.のみ)
ユースB男子(14&15才)
1位 Eric Lopez Mateos 1991 スペイン (Diff.1位)
2位 Brian Furciniti 1991 アメリカ合衆国 (Sp.のみ)
3位 Brian Anthenuisse 1991 アメリカ合衆国 (Diff.20位)
ユースB女子(14&15才)
1位 Dinara Fakhritdinova 1992 ロシア (Diff.9位)
2位 Tiffany Hensley 1991 アメリカ合衆国 (Diff.2位)
3位 Cassandra Zampar 1991 イタリア (Diff.21位)
メダル獲得数
....................男子...女子...計
ロシア..............3......3......6
アメリカ合衆国.....2......2......4
ウクライナ..........2......1......3
オーストリア........0......2......2
イタリア.............0......1......1
カナダ..............1......0......1
スペイン............1......0......1
派遣選手数が多いのにディフィカルティ競技であまりメダルを取れていないロシアとアメリカ合衆国、ウクライナが上位に登場してる。ロシアとウクライナのそれは、伝統的なものなのでしょう。では、アメリカ合衆国のそれは、なぜ?パワー至上主義?なんでも面白きゃいいという国民性?
視点をかえて眺めると、スピード競技のみの選手が18個中の7個のメダルを手にしている。やはりロシアが獲得した6個のメダルのうちの3個、ウクライナの3個のメダルのうちの2個、アメリカ合衆国の4個のメダルのうちの2個は、スピード競技専門の選手の活躍による。その一方で、ディフィカルティとスピードの両部門で優勝カップを手にしたジュニア男子のSean McCollや、ユースB男子のEric Lopez Mateosとか、やはりディフィカルティとスピードの両方で準優勝したジュニア女子のAnna StöhrやユースB女子のTiffany Hensleyの存在にも注目したい。また、このうちのジュニア女子のAnna Stöhr(18才)は先日のイタリア・アルコのロッククマスターでのボルダリング・コンペで優勝して、そのマルチぶりをうかがわせる。
さて一般的には、ディフィカルティ競技こそがクライミング競技で、スピード競技はそもそもクライミングではない、余興みたいなものだなどいう意見が支配的です。しかしイムストで、ベネズエラの監督が競技前にウォーミング・アップ壁を使って自国の選手に早く登るためには手を足をどのように送ったらいいかを教えていた姿を見て、スピード競技も一つの技だと感じさせられたのも事実です。
スピード競技前のベネズエラ・チーム。派遣選手4名全員がスピード競技に参加。ディフィカルティ競技に出たのは2名だけ。